2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

自分の作品の反省とやらを しようと思い、 読み返してみる。 なんだか地味……。 狭い世界の中で完結してるのが 原因かも。 あと、 両方ともちょっとエロい。 おとなしいって言われたのを 覚えていたからかも。 むぅ……。 安直だ、自分……。 何回か全体を読んで…

『子犬の足跡』 カギを外して玄関を開けると、マコトがしゃがんでいた。 ランドセルを背負ったまま。 胸には小さな子犬を抱いている。 「また拾ってきたのか!?」 「あ――」 上目遣いにこっちを見る。 「うん……」 犬の方もマコトの気分が移ったのか、えらく…

第二回萌理賞の選考が終わってました。 次点でした。 うぅ〜 むずかしい……。 ていうか、 レベル上がってるぅ! 講評は色々とアレなので、 気になった作品に 一言だけ感想を。 kagamiさんの『田んぼの国からやってきた若苗の子』 そ、 そういうことかぁ! み…

1. 春: 名前:アイリ 年齢:15歳以下 メッセージ:友達になってくれる人募集 :ヘンなメールだね チバっていうんだ? 何してるひと? :超サラリーマンだよ! 今も働いてるよ。すっげ忙しい。 :うそだぁ 返事めちゃめちゃはやいじゃん ていうか10時だよ? …

2. :おはよう チバ、あさから元気だね あたしはいまから学校だよ 電車だるいけど :電車やだね。 酢のにおいのおっさんいるからね。夏は大変だよ。 :まだ5月じゃん おっさんはやだけど でもうちの電車、学生おおいいからおっさんあんまいないよ? :学生…

『おはよう』 また目が覚めた。ここんとこ毎日、この時間に目が覚める。 理由はわかってる。――たぶん。 勢いよく起き上がって、窓の方を向く。 薄いカーテンが光っている。 握っていたヌイグルミをベッドに置いて、窓に近付く。 そっとカーテンを押し開ける…

いい機会なので 前回の第一回萌理賞に投稿していた『おはよう』と、 (実はこれが題だったのです。すみませんすみません……) 萌え理論Magazineに連載中の『アイリ』を こちらにも掲載。 書いたものは全部 ここで読めるようにしておきたい、 という思いからの…

うわあ! 失敗した! 一人一本って書いてたぁ! ちゃ、 ちゃんと読まないといけません……。 かさねがさね すみません、 sirouto2さん……。 今日の小説は、 第二回萌理賞には 文字数が多すぎて送れなかったもの。 課題モチーフを むりやり全部詰め込んで! しか…

『お断り』 強い日差し。 むき出しの腕を抱いて、カオリが笑顔を作る。 シャッター音が鳴り響いた。 「ま、またやっちゃった……」 公園の女子トイレ。 カオリが力なく抱きついてくる。 「お姉ちゃん……、もうやだぁ……」 私はカオリの背中をなでてやった。 去年…

第二回萌理賞 始まってました! うわわ! どうしよう!? か、書くしか! って、 急いで書き上げた。 ――まではいいんだけど、 2本書いてどっちのいいか選べない。 片方は、 「課題モチーフを出来るだけ入れよう」と考えたもの。 もう片方は、 「萌えるかど…

『秘密主義』 秋冬のコレクション予約会。 その日俺は、朝から気合いを入れて出かけた。 前期買ったボタンダウンに、スリムのクラッシュデニム。 アクセは数年前に買ったお気に入りのドメスブランド。 後は携帯と財布のみ。 どうせ数時間立ちっぱだ。 重い荷…

何だか昨日は、 ヘンな事を書いてしまった気がする……。 最後の「夢を〜」のくだりは、 父親が酔っぱらって 私に言った言葉。 その頃は ゲームを作りたいと思っていて、 ゲーム会社に就職するんだって思っていて、 でも 本当にうまくいかなくて、 親に迷惑を…

『お泊り』 「船場にいいお店見つけたんよ」 チサちゃんがベッドに飛び乗って、雑誌を開く。 そこには簡略化された地図が描かれていた。 私は乾かした髪を後ろでまとめて、隣に腰かける。 チサちゃんは目を輝かせながら、その店で見かけたバッグについて話し…

人間というものがいなくなり、もちろん私なんぞもとうにいなくなった あとでも、やはり八月の信州の山の中で、木の葉はあんな風に落ち始める だろうか、とまた考えてみる。きっとそうだ、そうに決まっていると 思われて来る。そして「ああ、鹿も木の葉も人間…

『欲求不満』 今日もその人は、いつもの場所に座っていた。 理学部棟、環境池脇のベンチ。 ボックススカートに低めのミュール。 無造作に羽織った白衣。 足を組んで、背もたれに身を預けている。 片手には文庫本、煙草に不機嫌な表情。 「こんにちは、先生」…

『歩く』 よるのみち。 いくつものしろいあかりがみえる。 あかいひかりがとおりすぎる。 てんめつするひかりがつらなっている。 あかるいおみせ。 わたしはそれをよけてあるく。 どうしてここをあるいてるんだっけ? おもいだせない。 もともとなにもなかっ…

『秘密基地』 私はその日、秘密基地に招待された。 少し前から二人が何か企んでいる事には気付いていた。 二人の秘密主義はいつもの事。 可愛い私の下僕たち。 どうせ私の掌の上からは逃げられない。 手を引かれ、部屋の中へと入っていく。 「ようこそ、姫」…

昨日の文章を kagamiさんがほめて下さってたぁ! 激しく照れくさい……。 ああうう、 ありがとうございます。 私もkagamiさんの書く文章が好きです。 毎回、 とても深く考えて書かれている事が伝わってきます。 そして、 真っ直ぐだなぁと感じます。 う〜ん、 …

kagamiさんのイザ!ブログに紹介されていた、 『妖精の詩』 という本を、 読み終わった。 私自身、 ネットゲームをプレイする。 この著者の方ほど 多岐に渡ってはいないけれど。 この本を書いた 中山千夏さんの勇気に拍手。 私はゲーム内の自分の感情と 向き…

『ストーカー』 私には、ストーカーがいる。 一月ほど前から、私の行く先々に現れる。 気付かないふりをしているが、実はかなり困っている。 そういう時は母親に相談しなさい、と世間の人は言うが、あいにく私には母親がいない。 美少女は不幸なものと相場が…

『校庭の隅』 両手をぎゅっと握る。 アサちゃんが僕の目の前にしゃがんでいる。 「恥ずかしいよ……」 校庭の隅。 理科室の裏の木陰。 「だって、知りたいんでしょ?」 アサちゃんが僕を見上げる。 「あたしだって、恥ずかしいんだから」 いきなり僕のズボンを…

On Your Mark見た。 初めて見た。 繰り返し見た。 なんだろう? 突然放り込まれて、 わけもわからず、 台詞もなく、 たった六分。 でも 心に焼き付く映像。 映像と、 音楽と、 別にどっちも そんなに一生懸命見て、聞いてたわけじゃない。 でも きっと もう…

『契約』 後ろから抱かれる。 胸に回された細い腕に、そっと触れる。 「助けてあげる」 耳元で声がする。 「――だから、私に誓いなさい」 目の前に、彼女の小さな手が差し出される。 「――誓います」 私は目を閉じ、口付けた。 あの頃、私は生きていなかった。…

『抱っこ』 6年ぶりに会った幼なじみは、自分の足で歩けなくなっていた。 驚いて立ちすくむ私に、車椅子が近付いてくる。 「そんなに驚いたか?」 昔と同じ愛想のない口調。 私は慌てて首を振り、その後、頷いた。 「――すごく、驚いた」 「大人になっても、…

萌え理論Magazine創刊 おめでとうございます! あちらは、 「複数人が執筆する共有型ブログ」 です。 ブログ自体よくわかっていない私が、 迷惑をかけてしまうのではないかと ドキドキしています。 いや、 すでにかけてしまったような……。 す、すみませんす…

『ミュート』 私は今日も、あの子を待っている。 午後の音楽準備室。ハノンを弾きながら。 狭い部屋の中、縦型ピアノの抑制された音が響く。 部活が始まるまでの数分間、私はここで指をあたためる。 「どうかした?」 先週の会話がよみがえる。 「ん――、別に…

私、実は 萌え理論Magazineというものに参加させていただいています。 で、そこでも小説を書こうかなと思っていたのですが、 >また例えば、tplusfさんがお仕事の話をコラムみたいに書かれたりとか、 >そういう独自の企画でも構いません。 というsirouto2さ…

『匂い』 少し浮き気味の軌道を描くシャトル。 身体を弓なりに反らせ、月岡はラケットを振り抜く。 心地よい音がして、シャトルはサイドラインギリギリに突き刺さる。 「きゃー! 月岡センパーイ!」 審判のコールを待たず、黄色い声が飛ぶ。 月岡は対戦相手…

少しずつ ブログのルールを勉強して、 読みやすいように改造中。 カテゴリーって便利! とか、 ちょ! リンク元ってそういう事だったの!? みたいな。 何だか意外なとこから来てる人がいたりして 驚く。 ていうか! 人が来ていた事に驚く。 ななな、なんだ…

『煙草』 「久しぶり」 錆びた金網に身体を預けて、煙草に火を点ける。 「よう」 チエがくわえ煙草で会釈する。 「子供のくせに、また吸ってるのか」 「ばーか、成長してるっつーの!」 「まあ、そこだけはな」 私が指差すと、街灯の薄明かりでもわかるくら…