2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

最近、萌え理論マガジンの方で企画を提案し、 ちょこちょこと動いてます。 いつも思うのですが、やっぱり大変! ………。 いや、た〜いへえ〜〜ん! このくらいは言っとかないと……。 でもこうして考えてる時が一番楽しかったりします。 勉強になりますしね。 ――…

『傷』 君は私を、窓際に立たせる。 二人きりの部屋。 窓は大きく開いていて、少し肌寒い。 夕日に背を向けて、私は一枚ずつ着ている物を足下に落とす。 君はその動きを、息を止めて見ている。 「全部、覚えてたい」 「……綺麗じゃないよ?」 「綺麗だよ」 私…

7. :なんだか眠れない チバ、お話できない? :いいよ。かけるね。 「どしたの? 昼寝しすぎ?」 「してないよ。したかったけど」 「まあ、土曜だから起きててもいいんじゃない?」 「明日お出かけなんだよ」 「どっか行くの?」 「うん。お父さん帰ってき…

> 『長編小説』 > を書くにしても、 > 『統一された世界観を持つ短編』 > の集合でいいんじゃないかなぁと。 先日、こんな事を書いたのですが、 その後のmageiaさんとのやり取りで、 こういうのは 『短編連作形式』 と呼ぶこと。 定義上は 『「長編」とは言…

『夕焼けの海』 海沿いの帰り道。 僕はランドセルを脇に置いて、防波堤に座っていた。 沈む太陽が、赤い光で空を染める。 水面が金色に反射する。 「夕焼け――」 誰かの声に、僕は振り向く。 制服の女の子がすぐ後ろに立っていた。 「綺麗だよね」 「う、うん…

『彼女の指輪』 噴水を見下ろすガーデンテラス。 調整された気温と湿った空気は、まるで高級な病室のようだ。 彼は涙を流しながら、私に感謝の言葉を伝える。 私はテーブルの上で手を組み、顔を苦痛に歪ませて、あの時の状況を伝える。 私の薬指の指輪。 彼…

今日のお話、 実は『欲求不満』と同じキャラクターを使っています。 こういうのもアリかなぁと思っての実験です。 こうやって世界観を統一していけば、 短編の集合でも、まとまったひとつの作品として成立するんじゃないか、 みたいな考えです。 mageiaさん…

『デフォルト』 ノックの音。 騒がしい声。 「先生、レポート提出に来ました」 数人の女の子が、研究室に入ってくる。 その人はキーボードを打つ手を止めると、不機嫌な顔を上げた。 女の子たちを見た途端、柔和な表情になる。 「ん? ああ、レポートね。 今…

昨日の続き……。 逆に、 読者を絞っちゃうって方法もありかな? 『無声』 みたいに。 『あなたの萌えるシチュエーション』 とかって募集して、 その人のために書いたり。 これって、 萌え理論Magazine向きなのかな?

なんていうか、 人によって 『萌えポイント』って違う。 当たり前じゃん! って言われそうだけど……。 あらためてそう思う。 読者が一人なら、 そのポイントを絞っていく事も可能かもしれないけど、 『不特定多数』 になった瞬間、その行為は無意味になる。 …

『月の光』 月の光。 闇に浮かぶ、重なり合う死んだ車。 型落ちのカブリオレ。 破れた幌が、透けて見える。 海に面した廃棄車両置き場。 私は、岸壁の錆びた手摺りに近付いた。 月明かりを反射して、水面がきらきらと光る。 静かな風。 潮の香りが鼻をつく。…